【初心者トレーダーさんの税金基礎知識!】海外FXと国内FXの税金の基本的な違い、もし課税率20%が改正されるとしたら?! FX初心者の失敗回避
「FX利益の税金は、どう考えれば良いでしょうか?」
欧米株式譲渡税/キャピタルゲイン税の状況!
アメリカ:3段階分離課税/0・15・20% + 州・市税が高い
イギリス:2段階分離課税/10・20%
ドイツ・フランス:選択分離課税30%程度/総合課税と選択可
日本:申告分離課税一律20%/所得税15% + 住民税5%
日本は欧米に比べて、安い設定の優遇課税になっています!
初心者トレーダーさんは、利益を上げる手法を考えるだけではなく、トレードで今後大きな利益が出た時の税金についても、考えておく必要があります。
税金についてある程度理解しておかないと、税金がいくらなのか把握できていなかったり、使いすぎて税金が払えなかったりすると慌てることになります。
国税支払は義務ですので、特に罰則も厳しいです!
現在、たくさん稼いだトレーダーさんほど、分離課税20%の優遇税制の恩恵を受けていますが、最近大きな利益を上げている方に対する「税率の見直しの話題」も聞こえてきています。
これについては別記事にしますが、何れにしろ、税金の最低限の知識は持っておきましょう!
今回は、国内・海外トレード口座で利益を得た場合の税金について、簡単にご説明いたします。
全部覚えておく必要はありませんので、ポイントだけ一度抑えておけば十分です。
FX・トレードで利益が得たら税金を納める
「FXで利益を得たら全員が税金を納める」という訳ではありません。
1年間で得た利益額により、課税対象者であるかどうかを判断されます。
3タイプに分けると分かりやすいです。
① 給与所得者:副業としてFXをしている人
1年間で20万円以上の利益で課税対象
会社に勤めながら副業でトレードをしている給与所得者/サラリーマンさんの場合、給料の所得税分については会社が納税してくれます。
会社が納税してくれるのは給与所得だけなので、トレードで得た20万円以上の利益分の所得税は、自分で確定申告する必要があります。
② 非給与所得者:トレードで生計を立てている人
1年間で38万円以上の利益で課税対象
会社などに所属せずに給与所得がない場合で、FX・CFDなどのトレードで合計38万円以上の利益があった場合は、課税対象になり納税義務が発生します。
③ 以下の条件に当てはまる場合
上記以外であっても確定申告をする必要
- 個人事業主の方
- 年収2000万円を超える方
- 2か所以上の会社から給与を得ている方
- 同族会社の役員や親族で会社から支払われる地代・貸付金の利子等による所得が発生する方など
- 上記に該当される方は、税理士さんにご相談しましょう。
課税対象になるのは「決済利益が確定」した時

課税対象となるタイミング!
譲渡益が対象ですので、FXで利益を得る/「ポジションを決済した時」になります。
含み益がいくらあっても課税の対象にはなりません。
海外FXは税制の仕組み上、年末と翌年の利益確定には特に注意が必要です。
例えば、年末に大きな利益を確定し、再度大きなポジションを持ち、年越しで持ち越した場合に、年が明けて「フラッシュクラッシュ」などの大きな暴落で膨大な損失を出し殆どの利益がなくなった場合でも、年末に利益確定した大きな利益には当然税金が発生します。
後でご説明いたしますが、「国内FX」では3年持ち越せますので、上記のケースでも相殺が可能ですが、「海外FX」では1年毎の計算になるので税金を払う必要があります。
税金を納めるには「青色申告」が有利
申告の方法には、「白色申告」と「青色申告」があります。
手続きが必要ですが、控除や経費など節税効果を考えると面倒でも「青色申告」が有利です。
白色申告/定職につき、FXは副業である給与所得者さんなど
会社に勤めながら、副業でトレードをしている給与所得者/サラリーマンさんの場合、殆どの場合「白色申告」で確定申告します。
メリット | 注意点 |
---|---|
・事前申請が必要ない ・簡易的な記帳でOK | ・特別控除など節税対策ができない。 |
事前の申請などは必要ありませんので、確定申告の時期までに前年度の損益をまとめて、確定申告書類を作成し、税務署へ提出し税金を納付すればいいので、簡単に完了します。
副業収入を含め、青色申告を申請していない個人事業主の方も白色申告を利用することになります。
青色申告/専業トレーダーさんの場合
メリット | 注意点 |
---|---|
・特別控除など節税対策が可能 | ・事前申請が必要 ・記帳が必要 |
青色申告を利用する場合、申告する年の3月15日までに「個人事業の開業届」と「青色申告承認申請書」を届け出る必要があります。
開業届を提出し、事業所得を得ている個人事業主やフリーランスの方の場合、トレードで得た利益を「雑所得」として申告します。
特別控除以外に、トレードにかかった経費なども申告できる、メリットがあります。
【必要経費として認められる可能性があるモノ】
FXの取引にかかった費用を「経費」として申告すると、課税所得額から必要経費額だけ減額できるのでその分節税になります。
- 取引に使うPCやモニター・周辺機器・修理代
- インターネット回線・モバイル通信などの通信費
- サーバー料金/EA用のVPS等
- FXトレード関係者の方との打ち合わせ・会食代
- 光熱費
- 家賃
などですが、全額ではありませんので、詳細は税務署・税理士さんにご相談ください。
国内FXと海外FXの税区分・税率

【海外FXと国内FXの税金の違い】
項目 | 海外FX | 国内FX |
---|---|---|
所得区分 | 雑所得 | |
税区分 | 総合課税 | 申告分離課税 |
税率 | 累進課税 /所得が上がるほど、税率も上昇 | 一律20% /2037年まで復興特別所得税があるため「20.315%」 |
損益の相殺/損益通算 | 「雑所得、総合課税」に分類される項目 /複数海外FX業者間の損益、仮想通貨の損益、アフィリエイト収入など | 「先物取引に係る雑所得等」に分類される項目 /複数国内FX業者間の損益、CFD、先物・オプションによる損益など |
損失繰越 | 不可 | 「3年分の損失繰越」が可能 |
確定申告の所得水準 | 「給与所得者/サラリーマン:20万円超」 「非給与所得者:38万円超」 |
税区分
・海外FXは「総合課税」
総合課税とは、海外FXで得た利益や会社の給与・講演料・不動産収入など、総合課税が適用されるすべての所得の合計額から納税額が計算される仕組みです。
【総合課税に分類される主な所得区分】
- 給与所得(勤務先から受け取る給料)
- 雑所得(海外FX、仮想通貨、アフィリエイト、原稿料、など)
- 事業所得
- 不動産所得
・国内FXは「申告分離課税」
申告分離課税で申告する場合、他の所得の金額と合計せず、別々に分けて税額を計算する仕組みです。
税率
欧米株式譲渡税/キャピタルゲイン税の状況!
アメリカ:3段階分離課税/0・15・20% + 州・市税が高い
イギリス:2段階分離課税/10・20%
ドイツ・フランス:分離課税30%程度/総合課税と選択可
日本:下記をご覧ください。
・海外FXや仮想通貨は「累進課税」
下記表のように利益が上がれば上がるほど、税率も上がる仕組み
さらに、住民税が一律で10%付加。
所得額 | 所得税率 | 住民税 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 一律10% |
195~330万円以下 | 10% | |
330~695万円以下 | 20% | |
695~900万円以下 | 23% | |
900~1.800万円以下 | 33% | |
1.800~4.000万円以下 | 40% | |
4.000万円超え | 45% |
・国内FXは「住民税込みの分離課税一律20%」
他でどれほど利益を得ていても税率は変わりません。
海外FXと国内FXでどちらの方が税金が安いかは、個人の所得構成などで変わってきます。
海外FXの確定申告における3つのポイント

海外FX確定申告3つのポイント
- 1年間の利益を翌年に「確定申告」
国内FXと同じ。 - 国内FXとは「損益を相殺/損益通算、できない」
他の総合課税の仲間とは相殺可能。 - 海外FXは単年度の計算で、「損失繰越できない」
国内FXは3年繰越可能。
1年間の利益は「翌年に確定申告」する
個人の場合、課税対象になる期間は、毎年1月1日~12月31日までの1年間です。
翌年の2月16日~3月15日までに1年分の利益の確定申告を行います。
3月15日までに確定申告をしないと、追徴課税が課せられるので注意がしましょう。
国内FXとは「損益を相殺/損益通算できない」
海外FXは「総合課税」、国内FXは「申告分離課税」、とそれぞれの税区分が異なるため、海外FXと国内FXの損益を相殺/損益通算、はできません。
片方で利益が出て、片方で損失が出ていたとしても、利益が出た方の利益分全額が課税対象となってしまいます。
・国内FXで損失、海外FXで利益が発生した場合
損益通算ができないため、海外FXの利益100万円が、そのまま課税対象額となります。
海外FXで損益通算できるのは、海外FXと同じ税区分の「雑所得/総合課税」に分類される項目で、もちろん、海外FX業者同士の損益も相殺できます。
・海外FXで損益通算できる場合
下記のケースは全て「雑所得/総合課税」に分類され、同じ仲間なので、相殺/損益通算が可能です。
下記のケースでは、損益通算すると、雑所得の合計損益は「0万円」になります。

海外FXは「損失繰越できない」
海外FXは「損失繰越」が利用できません。
国内FXでは、1年間の損益がマイナスであったとしても、確定申告を行うことで最長3年先まで損失繰越が可能です。
海外FXは前年にどれだけ損失があったとしても、単年度1年サイクルで損益が確定します。
例)国内FX/1年目も確定申告する必要があります。
1年目-200万円の損失
2年目 300万円の利益
2年目は、1年目の損失200万円の繰越分と相殺した、残り「100万円」が課税対象となります。
例)海外FX
1年目は税金は発生しませんが、
2年目は利益「300万円」が課税対象額となります。
このように、現在のキャピタルゲインの優遇税制では、国内FXを利用した方が有利になっています。
ただ国内FXも、今後金融税制が見直され、分離課税の優遇税制から累進課税の方向へ改正された場合、バランスが大きく変わってくるでしょう。
海外FXトレード税金を節税するつの3つの方法

- 個人事業者申請して、トレードにかかった経費を申告する
多くはありませんが、トレードに関する費用と認めらるものは経費となります。 - 総合課税の他の雑所得仲間と損益通算をする
CFD・仮想通貨・アフィリエイトなどと相殺可能です。 - 法人での取り引きを本格化する
①より多くの節税が期待できますが、法人審査は個人と違い厳しいです。
トレード資金が少ない場合でも、海外トレードで、そのサービスを利用して、合理的にトレード資金を有効に活用する方法もありますので、次回は説明記事を予定しています。
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MT4の取引レポートでは、取引履歴の他に保有中のポジション・ペンディングオーダー・口座残高などの状況が記載されています。
まとめ
国内のキャピタルゲインの税金は、現在欧米に比較しても低い設定になっています。
バイデン政権は選挙前から、キャピタルゲインの税率を引き上げる可能性を公言していましたが、もし改正されると国内の税率も改正される可能性もありますが、議会を通すのも簡単ではなさそうです。
経済ニュース等で税金の常用を注意して見ていると面白いです。
何れにしても、大きな利益が出始めると必要な知識なので、流れだけでも掴んでおきましょう!
それではグッドラック!
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