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「エリオット波動」基本的な考え方・パターンと効果的使い方/FX初心者の失敗回避!
初心者の方の知っておいた方が優位な、チャート分析の基礎「エリオット波動」の基本的な考え方を解説します。
まずそれぞれの基本的に知っておくべきことを一項目ずつ徹底的に調べてみるのが早道ですが、最終的には下記3つは一元的にまとめて「一つの流れ」だと考えて良い思います。
「グランビルの法則」
「エリオット波動」
「ダウ理論」
上記理論法則は繋げて一元的に考える!
「グランビルの法則」=「エリオット波動」+「ダウ理論」+「ダウ理論」+ MA
下記にすべて含まれます。どれも「トレンドフォーロー」の基本となる考え方ですが、この考え方が身につくとフラクタルなトレードの「上位トレンド方向への順張り/カレントトレンド逆張り」という考え方も見えてきます!
大切な基本的考え方!
「エリオット波動」「ダウ理論」「グランビルの法則」など理論・法則と名のつくものがいろいろありますが、当たり前ですがトレードにおいては法則と言えどもその通りに確実に動くものではありません。
トレードにおいては「結果がそのような結果になる傾向が強い考え方」程度に理解してください!
「ダウ理論」「グランビルの法則」「エリオット波動」のポイントを意識しながらチャートを観察するだけでもテクニカル分析手法の習得レベルにかなりの差が出きますので、特に初心者の方はコアなポイントだけは書き留めて自分の思考の中に取り込んで行けるようにすると良いと思います。
内容はトレンドフォロー型のトレーダーさんでこれらを意識してトレードしていない方は皆無と言えるほど「当たり前」のことばかりですが、「ただ単に知識として知っているのと理解してリアルトレードで実践できる」のとは大違いなのでどのように利用すれば優位性を持てるのか考えてみてください。
もう1点大事なことがあるのですが、「ダウ理論」「グランビルの法則」「エリオット波動」「フィボナッチ」「酒田五法」などはエントリーの1要素にはなりますがそれだけでエントリーすることはありません。
エントリーには他の2条件をプラスして最低3つの要素・条件が必要だと思っています。
エントリー後「ダウ理論」「グランビルの法則」「エリオット波動」が確実に確認され優位なトレードが得られた場合に、エグジットのタイミングをギリギリまで伸ばすためにエントリー条件一つでも逆に崩されるまで見守ります。
エリオット波動基礎編
マーケットは「5つの上昇波と3つの下降波」で1つの周期を形成するという考え方です。
マーケットプライスは一部の指標発表や経済サプライズ・政治的サプライズによる一方方向への一本上げ下げなどを除いて通常は振幅しながら動いていきます。
エリオット波動の5つの上昇波を「推進5波」と呼び、3つの下降波を「修正3波」とも呼びます。
エリオット波動の基本三原則
ダウ理論から考えても「当たり前」のことなのであまり神経質に拘る必要はないですが、考え方とイメージは捉えておくと重要ポイントで役立つことが多いですのでこの機会に覚えておきましょう!あくまでも原則ですのでトレードの様々な決定をする場合の重要な要素として捉えて、「上昇3波」と「修正3波」はリバーサル転換の重要ポイントにもなりますので、トレンドフォロー手法で一番取りやすく利益も乗りやすい重要な「第3波」の動きには特に注意して監視が必要です!
ルール①:上昇/推進1波のスタート地点を波動2波は下回らない
上昇推進波で波動1波の開始値を上昇2波が逆に更新したらルールが崩れます。
下図で上昇2波が赤の矢印のようにグレーの波動1波を下抜いて黄色の丸エリアに落ちて確定した場合、ルールが崩れて上昇2波ではなかったということになり、そこから上昇して3波形成に見えても再度カウントのやり直しということになります。
ルール②:上昇/推進3波は上昇波の中で一番短くならない
ルールでは上昇5波形成中に3波が一番短くなっていたらルールが崩れるということになります。
下図の赤の上昇3波のように赤の⑤青の①のより短くなってはルールから外れているということになります。
エリオット波動では波動3波が最も長い波になることが多く最も短くなることないということです。
ただ波動3波に関しては「エクステンション/3波の拡張的なイメージ」と考えられることもあり見極めが困難なこともありますし、5波が最も長い波になることもたまに見られます。
ルール③:上昇/推進1波の高値を波動4波は割り込まない
上昇3波確定後の4波でリトレースメントで押し目形成中に上昇1波の高値を下回ってしまった場合カウントは間違いになります。
下図では赤の④が青①の高値のグレーのラインを下へ割り込んでオーバーシュートしていますのでルールが崩れます。エリオット波動を意識してエントリーしている場合は、上記2原則も含めてこの3原則の崩れはトレードシナリオの崩れになり、損切りを検討するポイントにもなりますので慎重な対応が必要になります。
エリオット波動ではルールが崩れた場合は、エリオット波動の波のカウントが崩れてしまうので、第1波のカウントからリカウントして考え直す必要があります。
「相場が常に正しい」ですので考えやイメージ・トレードプランが崩れた場合には即座には、それまでの考えを修正してイメージを再構築する柔軟さが求められます。
初心者のトレーダーさんが一番失敗する原因の一つは、この「即座に今までの考え・イメージを払拭して再度イメージをリビルドする切り替えの速さがなかなか追いつかない点にありますが、全ては慣れですので過去検証ソフトやデモトレードで十分にこの感覚を身に着けて、リアルトレードでも優位にトレードできるようなトライ&エラーの経験も必要になります。
トレードにおいては「プランA」が崩れた場合トレードエントリールールが崩れた場合の「プランB」の準備が非常に大事ですので、常に逆に動いた場合のプランも準備しておくことが重要なポイントになります。
マーケットは振幅しながら動くのでトレンド形成時は「N字」が「I字」「V字」で形成されてライン構築されます。
少しわかりにくいかも知れないですが、一番最初のエリオット波動の説明画像に矢印で書き入れた箇所にも3つの「N字」が見られます。
テクニカル分析では相場が強く、トレンドが発生する場合、斜め方向へ「N字」が作られながらパワーが強い方向へ更に長い「I字」を形成します。
レンジの時は「N字」だけでほとんど形成され「I字」は形成されませんが、「N字」は必ず形成されるのでシンプル学習の足がかりにしてください。
エリオット波動の波動パターン
エリオット波動のパターンはトレンドフォローのトレードスタイルに主にマッチしますが、「N字」「I字」「S字」「V字/逆は逆Vと考えるより「A」と考えたほうが分かりやすい」「P字」「Y字」の波動が見られます。
波動パターンは、「トレンド回帰型・コンティニュエーション/トレンドフォロー」と「トレンド転換型/トレンドリバーサル」の2つのパターンに分けることができます。
1.「トレンド回帰型・コンティニュエーション/トレンドフォロー」
「トレンド回帰型・コンティニュエーション/トレンドフォロー」が起こるエリアは、下図の上昇トレンドではライトブルーの四角内、下降波ではレッド四角内エリアということになります。
エリオット波動の「N字」「V字」「I字」は直感的にトレンドフォローのブレイク判断に使用できますので、トレードプランを練る上で非常に役立ちます。
チャートを開いてイメージしてみましょう!
2.「トレンド転換型/トレンドリバーサル」
起こるエリアは、下図の上昇トレンドへの転換/リバーサルではライトブルーの四角内、下降波への転換/リバーサルではレッド四角内エリアということになります。エリオット波動では「S字」が転換時に現れることになりますが、厳密的に「N字」との違いはあまりないので波形は同じと考えても良いですね。
トレンド回帰/コンティニュエーション・5パターン
トレンド回帰型/コンティニュエーション・4+2パターン
- トライアングル
- ダイアゴナル・トライアングル/ウェッジ
- ペナント
- フラッグ
- ボックス
①トライアングル
②ダイアゴナル・トライアングル/ウェッジ
高値と安値を共に少しずつ切り下げ・切り上げしつつ値幅が狭くなっていき、最後はトレンド方向へ抜けていくパターンです。
③ペナント/P波動
トライアングルと同様に高値を少しずつ切り下げながら、安値を少しづつ切り上げながら値幅を狭めていき抜けていくパターンですが、「急激な上昇・下降」を伴いその後現れます。
④フラッグ
高値と安値をともに少しずつ切り下げもしくは切り上げますが、値幅があまり変わらないまま最後はトレンド方向に抜けるパターンです。
⑤ボックス
長方形のレンジ内で高値と安値をともにブレイクせずに、値幅があまり変わらないまま最後はトレンド方向に抜けるパターンです。
トレンド転換型の5パターン
トレンド転換型の4パターン
- ヘッドアンドショルダートップ・ボトム/トリプルトップ・ボトム/三尊・逆三尊
- ダブルトップ・ボトム
- ソーサートップ・ボトム
- ライントップ・ボトム
- ブロードニング/逆ペナント
- ダイヤモンド/非推奨
①ヘッドアンドショルダー/トリプル/三尊・逆三尊
ヘッドアンドショルダーは日本では下降へのリバーサルで「三尊」、へのリバーサルで「逆三尊」と呼ばれており、「1つの頭/ヘッドと2つの肩/ショルダー」で構成されますが、「トリプルの変形もしくはトリプルの真中の飛び出し、フラクタル上位のひげ」と見ることも出来ます。
タイムフレームによっては形成に時間がかかりますが、監視しているトレーダーもどのタイムフレームでも多いので機能する確率も高く比較的信頼の置けるパターンです。
初心者の方でも比較的確認しやすいパターンですのでオススメいたします!
②ダブルトップ・ボトム
3種類のダブルトップ/同ダブルボトムがあり、ヘッドアンドショルダー/トリプルトップ・ボトム同様にトップもボトムもトレンドの終わりになる可能性が高いので、色んなタイムフレームで監視され利用されています。
右側のダブルトップはサプライズなリバーサル時とか天井圏やボトムでをよく見かけますが、ブロードニングなどでも最後のブレイク前に現れることになります。
丁度昨日のGBPJPYに良いサンプルがありましたのでご紹介いたします。
イエロー枠内で起きています、このような感じになります。左側のダブルトップはヘッドアンドショルダーになることが多いですのでその場合はトリプトップ崩れとも言えると思います。
③ソーサートップ・ボトム
ソーサーもトレンドの終わりを示唆します。
初心者の方にも判りやすい形状パターンですので、無意識にソーサーラインがイメージできているというくらいまでたくさんのチャートを見て、最初のうちは集中して探してみてください。
多くの過去のチャートを検証してみると想像以上に効果的なポイントを指し示していることに驚かされると思います。
特に今後フラクタル/上位タイムフレームのトレンド環境に意識を向ける始める時にソーサーの感覚は非常に役立ってきます。
④ライントップ・ボトム
ラインもソーサーと同じくトレンドの終わりを示唆しますが、レンジがしばらくの間続いた後、地政学的サプライズや指標発表時の大きなサプライズ、要人発言などに反応してバイアスもかかり、ロスカットも大きく巻き込みながら一気に走り出すことがよくあります。
ただこの大きな動きには初心者の時は手を出さないことをオススメいたします。
博打性が非常に高くラッキーな利益を得ることがたまにあっても長い目で見ると資金管理に失敗する可能性が高くなります。
デイトレやスキャルピングの場合は特に打撃が大きくなりますので、短期の優秀なトレーダーさんほど主要な指標の発表時にホールドされている方は少ないです。
⑤ブロードニング・逆ペナント/Y波動
トライアングルやペナントとは逆に高値を少しずつ切り上げつつ安値も少しづつ切り下げながら値幅を広げていきトレンドリバーサルで逆へ抜けていくパターンです。
通常は最後のリバーサル反転で、一度プルバックされ戻されます。
トリプルの変形ですが、確認が非常に難しいパターンです。
⑥ダイヤモンド/非推奨
高値を少しずつ切り上げて安値を少しずつ切り下げて値幅を広げていき、途中から高値を少しづつ切り下げつつ安値を少しずつ上げていき値幅を狭めていく、逆ペナントとペナントが合わさったパターンで最後はトレンド逆方向へリバーサルで抜けていくパターンです。
ヘッド・アンド・ショルダーの変形として捉えることができるので、パターンとしては考えていません。
このパターンの中央に赤い横線を入れてみました。
上半分を見ますと確かに下方向への圧力が見えていますが、同時に下半分ではまだトレンド方向への強い圧力も感じられますので、上位の環境を見ないとなんとも言えない状況です。
これだけでリバーサル反転のパターンと認識するには危険が大きいと思われます。
エリオット波動の値幅予想イメージの計算
エリオット波動では値幅を予測イメージする主な手法は以下の4つになります。
個人的には「フィボナッチ・リトレースメント」「フィボナッチ・エクスパンション」を利用しています!
初心者の方にはまだ持て余すと思いますのである程度基礎知識が身についてから詳細は考えられてもいいと思います。
今のところはそれぞれの「2つの幅/長さが同じである」との認識で良いでしょう。
エリオット波動における値幅イメージの4つの計算手法
- N計算値
- NT計算値
- V計算値
- E計算値
①N計算値
N計算は①と②の値幅=Aを計測し、③と④=「Bの値幅とAは同じ」になる場合が多いとイメージ予想します。
②NT計算値
値幅最高値と最安値の中心地点には2回目の修正波が到達する可能性があるとイメージし4波の修正波の到達点を値幅の2等分地点とイメージします。
「Bの値幅とAは同じ」とイメージ予想します。
③V計算値
「Bの値幅とAは同じ」とイメージ予想します。
④E計算値
E計算ではE文字の横線3本が「高値・中値・安値を位置し横線3本の値幅はそれぞれ等間隔」とイメージします。
「Bの値幅とAは同じ」とイメージ予想します。
エリオット波動ではN波形成がダウ理論と同様に重要なベースになります。
高値と安値を少しずつ切り上げN波上昇トレンドを形成し3波・5波波動として捉えます。
「オルターネーション/交互」と「エクステンション/延長」
リアルチャートにおいて3波、たまに5波のエクステンションは確認できますが、5波なのか見分けることは難しいですし「初心者の方は特に気にする必要はない」と個人的には思っています。
ーー『エリオット波動入門』より引用ーー
「オルターネーションは、次に何が起こるのかということを正確に示すものではないが、次に起こらないであろうことを示唆する貴重な予告である」。
コントラリアン/逆張り投資家がよく指摘するように、多くの一般投資家が明確になったマーケットの習性に飛びついた日に、相場はそれまでとはまったく違う局面に変化する。」
要は、同じ局面は続いて起こらない、ということです。
プルバック2波と4波のオルターネーション
第2波が急こう配の修正となるときは、その第4波は横ばいの修正になると予想される。逆もまた同じ。
推進波の長さが交互になるように、延長もオルターネーションの法則に従って出現する。
一般に第1波が短いときは第3波が延長し、第5波は再び短くなる。
※例外としてダイアゴナルトライアングルでは、その第2波と第4波はオルターネーションにはならない。
修正波のオルターネーション
修正A波がフラットな構成で始まるとき、B波はジグザグになることが予想される。逆もまた同じ。
さらに、複雑なB波に続くC波は、より複雑な構成となる可能性がある。
下記の認識程度は覚えておいて損はないです。
「推進波の長さが交互になるように、エクステンション/延長もオルターネーションの法則に従って出現する。
一般に第1波が短いときは第3波がエクステンション/延長し、第5波は再び短くなる。」
要は、エクステンション(延長波)は連続して起こることはない、ということです。
第3波がエクステンション/延長する場合は、第1波と第5波は短く、第5波が延長する場合は、第1波と第3波は短くシンプルな波形になりますが、通常は3波が一番長くなる程度の認識で十分です!
まとめ
エリオット波動の波動パターンはデフォルメされた単純なパターンですが、波動パターンに慣れてくると複雑なプライスの動きが、チャートの大きな流れとして見えてくるようになります。
更にバラバラにイメージされた「エリオット波動・ダウ理論・MA/移動平均線」が一つのイメージにまとまり一元化し始め、「グランビルの法則」がチャート上で浮き出て見えてくるようになると優位性のあるトレードのプランが組み立てられるようになります。
初心者の方は覚えなければいけないことが多すぎて大変だと思いますが、考え方・イメージが一つにまとまるためには一度はオーバーロードするほどの多多くの情報に埋もれて模索し、徐々に自分に合わせて断捨離し整理することが必要ですのでシンプルで優位性のあるトレードプランが構築できるまで滅気ずに頑張りましょう!
ありがとうございました!